全養協日本語教師検定 測定項目

 

全養協日本語教師検定の測定項目は、以下のように大きく6つに分類できます。

 

1. 専門的能力

  ・・・日本語のルール、教授法、授業展開等に関する知識とそれに基づく分析力・実践力

 ● 学習項目の意味・用法・ルールを理解しているか。また、分析できるか。

 ● 実際に使われている日本語を意味・用法・ルールの観点から分析できるか。

 ● 提示する例文が意味・用法・ルールの観点から適切であるか否か判断できるか。

 ● 学習者の誤用を的確に分析できるか。

 ● 授業の展開を自ら組み立てることができるか。また、授業の展開を自然に構成できるか(テーマの連続性がある、唐突でない等)。

 ● それぞれの学習活動(教室活動)[文型練習、ロールプレイ等]の特徴を理解しているか。

 ● 教材・教具の特徴を理解しているか。また、教材を分析する力があるか。

 

 

2. 指導能力

  ・・・専門的能力を実際の学習者を前にして駆使できる力

 ● 学習者のレディネスを把握し、そのレベルに合った日本語を使って授業が展開できているか。

 ● 授業の展開が教師の独り善がりで強引な展開になっていないか。

 ● 無駄な説明が多いなど、教師の説明が必要以上に長くなっていないか。

 ● 学習活動(教室活動)の目的に合わせて、学習者とのインターアクションの形態を効果的に変えているか。

 ● 板書を学習者に分かりやすく(効果的な板書の仕方、無駄な板書、板書が必要な時にしない、字は正確か、字に誤りはないか等)しているか。

 ● 学習項目の意味・用法、ルールが間違えなく適切に伝えられているか。

 ● 学習者にとって学習項目の意味・用法が理解しやすい適切な例文が作れるか。

 ● 学習項目を実際にそれがよく用いられる場面・状況・文脈などを考慮し、掲示できるか。

 ● それぞれの学習活動(文型練習・ロールプレイ等)の特徴を理解した上で、それを適切に用いているか。

 ● 学習活動(教室活動)の指示が学習者に的確に伝えられるか。

 ● 学習項目が定着したか否かの確認ができているか。

 ● 授業の目的に応じて適切な教具・教材を用いているか。

 ● 教具・教材の整理がなされ、スムースに学習者に提示しているか。

 ● 学習者を指名する場合、効果的に指名をしているか。偏りなどはないか。

 ● 学習者あるいは学習者集団(クラス)をリードする力があるか。

 

 

3. 学習者への対応能力

  ・・・学習者を観察する力、学習者と相互にやりとりする力

 ● 学習者がどの程度、学習項目、教師の発話を理解しているかを把握できるか。

 ● インターアクションが教師から学習者へ一方的でなく、学習者とのコミュニケーションを図りながら、学習者からの自発的な発話を促しているか(学習者の発話を引き出すようにしているか)。

 ● 教案を必要以上に見たり、教案にとらわれ過ぎたりして、学習者と本当のコミュニケーションがとれていないことはないか。自然なコミュニケーションになっているか(形式的な相槌など)。

 ● 教師の学習者に対する態度は適切か(公平性、威圧的、無関心、否定的、子ども扱い)。

 

 

 4. フィードバック能力

  ・・・学習者の発話に対して評価し、適切に対応する力

 ● 教師が学習者に発話させた場合、学習者の発話に対して教師がした評価を学習者に伝えているか。

 ● 学習活動(教室活動[文型練習、ロールプレイ等])の中で、問題(誤用等)があった場合、それに気づき、それに対して適切な対応やフォローをしているか。

 

 

 5. パーフォーマンス能力

  ・・・学習を促進する雰囲気を作る力

 ● 教師の声の大きさ、話す速さは適当か。発話は明瞭か。

 ● 顔の表情、体の動き、話し方が学習者に違和感を与えず自然であるか。

 ● 学習者に教師の発話の意味を伝えるためのジェスチャーが適切か。

 ● 学習者と教師が適切な距離を保っているか。適切な距離(物理的・心理的)で接しているか。

 ● 学習者を引きつけ、飽きさせず、楽しく、授業に参加させられているか。

 

 

6. 自己育成能力

  ・・・教師として自己を成長させられる能力

 ● 授業(自己・他者)の展開を客観的に分析し、改善することができるか。

 ● 学習者とのコミュニケーション(自己・他者)が適切であるか否かを分析することができるか。

 ※「自己育成能力」を試験で測ることは難しいと考えています。教師としての実践力や自己育成能力は、長期にわたる観察を通して把握するものだという見解もあります。この能力は、実際には現場の教育機関における研修および教師の向上心によって育成されていくものでしょう。したがって、この試験でも、この項目を単独で問うような問題はありません。ただ、試験Ⅱのように他の教師の授業場面を視聴して、授業展開の問題点に気づくこと、およびその改善点を示すことができれば、自分自身の教案や授業展開を振り返り、より良い授業へと改善する能力の素地は持っていると言えるでしょう。そこで、「自己育成能力」の評価は、その基礎となる力の判断であり、「試験Ⅱ」の総合点で評価することとしました。